4時限目:“増やす”というより“減らさない”という考え方②
前回、損切りについて簡単に触れました。
資産を増やす方法より“減らさない意識”からお話したのには理由があります。
それは投資の世界から撤退していく大半の人が、とても大きな損失を短時間で被り、去っていくという現実があるからです。
お金が増えていく分には、銀行や証券会社は何も困りませんが0より小さい残高はありません。マイナスになった時点でアウトとなります。
(深刻な言い方をしてすみません)
ここで資産の増減について、シンプルな考え方をしてみましょう。
株式にしろ、FXにしろ、基本的には上がるのか下がるのかの2択を予想しています。仮に完全な勘だったとして、その予想が当たる確率は50%。数学上、期待値(見込めるリターン)は±0に近いはずです。投資分析を少しでも行っていればその確率は50%よりも大きくなるでしょうから、期待値はプラスとなり、資産のスランプグラフは右肩上がりを描きます。
実際に投資を行っている方々の単純な予想の勝率だけ見れば、50%以上の人が多いのです。
予期せぬ事件やイベントごとがあると、株価や為替は大きな変動をします。その波がその人にとっていいものだったらうれしいのですが、資産を減らすような悪い変動だった場合、一気に資産を削ってしまいます。
資産の増加分については小さくても大きくても大歓迎、
資産の減少分については小さいものは耐えられても、大きなものは絶対に避ける。
これが“減らさない”という考え方であり、一番大切な部分となります。
損切りをすることで“これ以上資産が目減りしたら諦めよう”とあらかじめ決めます。
“また上がるだろう”という安直な期待からほったらかしにしないようにしてください。
もちろん投資の世界ではいろんな力が作用しあって変動が生まれています。純粋な2択ではないことも申し上げておきます。
言葉だけでは面白くないですよね。
次回は準備のお話をして、それ以降は実際のトレード画面のキャプチャを貼りながら説明してまいります。
では、また。
◆略歴◆
氏名 伊籐明機良(いとうあきら)
1985年、福岡県生まれ。トレーダー。大学のゼミで金融商品の研究を行い、投資と出会う。SE時代、主業の傍ら独自の投資プログラムをコーディング。現在はシステムトレードをはじめ、外貨、株式等の投機的投資を行う。